台北出身の柯沛如氏はいろいろなことを学ぶため 14 歳で単身渡米後、幾多
物語と食の出会いとは?
アメリカで学業を終えた後は、台湾に物語としてオーラルヒストリーを伝
えたかったのですが、難病の自己免疫疾患を発症してしまいました。病院を
渡り歩いても目立った成果はなかったのですが、ある日ヨガクラスの後、楽
しい食事によって心と体が楽になり、食と健康の密接な関係に気づいたので
す。体を癒すために自分で料理を作るようになり、やがて米国の自然食発祥
の地サンフランシスコへ。病気のおかげで長い時間一人で過ごして分かった
のは、都会の人々が互いの話にあまり耳を傾けず、人と一緒にいても孤独を
感じること。多くの生産者のおかげで病気を治したこともあり、「サスティ
ナブルフード」を軸に誰もが物語を通じて互いに親しみを持ち、リビングで
主役と食の出会いにまつわるライフストーリーに耳を傾けられる、家庭のよ
うな環境と雰囲気を作りました。
子供は誰しも物語が好きですが、物語が柯さんを惹きつける理由は?
最初は人に対する興味から、勉強の一環として隣近所の人を訪ねて映像
と文章で彼らの日常生活を記録したのです。周囲の人や物を細かく観察し
3 年が経つと、見知らぬ存在だった隣人と徐々に信頼が芽生えました。心か
らの話はシンプルで力強く、たとえ平凡な出来事でも独特の美しさと輝き
が身に染みました。
バウマンカレッジを選んだ理由を教えていただけますか?
あり、授業内容も多岐にわたっているからです。例えば、1本当の食とは何かを知る。新鮮・旬・未加工の現地の食材やハーブ、スパイスに含まれるミネラルやビタミンについて深く知る。2体と友達になる。全ての食は健康に繋がるため、大切なのは自分の体質に合っていること。3必要な栄養素を、妊娠中の母親・青少年・老人等のライフステージ別に理解する。4様々な食文化から健康の知恵を借りる、というものです。
柯沛如氏(右)と漁師兼シェフ兼芸術家のクリストファー・ワン氏(Christopher Wang)(左)でフードビジネスに携わる経緯を大いに語る。(著作権者 :ブレア・ランドール(Blair Randall))
リアルフード・リアルストーリーの設立以降、どんな素敵な物語がありましたか?
(Martin Reed)。サスティナブルフードに携わるきっかけについて「私が
10 代の時、いつも家で有機食材を使っていた母が他界して以来、父と外食漬けの毎日でした。しかし父が循環器系の病気で倒れ、もう一度健康な体を取り戻さなければと感じたのです。食を学び自ら台所に立るようになると、良い食材は生産者の苦労とコストによって作られると分かりました。しかし価格も高い。そこで隣人や友人と団体購入しようと考えました」と語ります。この話は参加者の心に小さな火を灯し、盛り上がりは三次会まで続きました!
台北の思い出の味は?
父は屏東の潮州人ですが、母が北方出身なので、北方で好まれる麺料理が父と私の好物になりました。夏は家で冷麺を作り、タレの味を比べっこします。テーブルいっぱいの付け合わせ、錦糸卵、せん切りきゅうり、枝豆、細切りの鶏肉、幸せです!
食事とは命と食べ物の交わりの時。リアルフード・リアルストーリー(Real
Food Real Stories)は、柯氏が育てたネクタリンの木と共に一周年を祝った。日の光に照らされた真っ赤な実は、夏の農園で一つ一つ手摘みされる熟れた果実のようで、そこには天気や生き物、この地を切り開いた先祖の祈りと知恵が記録されている。(著作権者 :ミシェル・エドモンド(Michelle
Edmunds))
柯氏の願いはリアルフード・リアルストーリーの思想、価値観、経験が一つの教育モデルとしてサンフランシスコから台北、全世界へと広がること。(著作権者 :ピート・コフ(Pete
Ko))
「深い理解は共感を呼びます。ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー(Henry
Wadsworth Longfellow)の『もしも敵の秘められた歴史をひもとけるなら、我々は彼らの一人一人の人生に、あらゆる敵意を喪失させるに足る哀しみや苦しみを見出すことだろう』という言葉のように」と柯氏。(著作権者 :ジェニー・チェン(Jenny
Cheng))
●私たちの毎月のコラム:世界のキッチン ●This post originated on TAIPEI
米カリフォルニア州の調理学校で、「健康になる食」という理念に貫かれた授業を開講。
漁師から直接サスティナブルな魚介類の購入し、生態系と漁業従事者の権益を守る。
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